偏愛記

好きな人や物が多すぎて、見放されてしまわないために綴る愛。好きな歌とか、読んだ本とか、推しとか。

2023-01-01から1年間の記事一覧

愛されるよりも愛したいマジで

映画『キャロル』を観てきた。 アマプラでは観たことあったのだけれど、劇場で観るのは初めて。音楽、色味、演出、ファッション、画面に映る全てが余すことなく美しく、格別の映像体験だった…。キャロルとテレーズが赤と緑の服を着てるのとか本当にかわいい…

恋と恋愛の脱構築

Twitterのフォロワーがめちゃ増えたので、マシュマロを久しぶりに募集してみたところ、こんなマシュマロをいただきました。すごくわかる!と思いながら読ませてもらいました。ゆっくり解答していきたいと思います。 -------------------------- 最近、自分は…

薄紙一枚分の約束

会社に入って苦しいと感じることはたくさんあったけれど、ひとつだけ、とても良いこともあった。高校の同級生と再会できたのだ。わたしは彼女もこの会社を受けているなんて何にも知らなくて、本当に偶然、入社式の日に遭遇したのだった。わたしは学部5年+院2…

くつずれ

「新しい靴買ったらさ、靴擦れで足がずるむけになっちゃって。見てこれ」 ダンスの更衣室で着替えながらそう言って裸足の足を差し出すと、年下の友人は目を丸くして、えっ大丈夫ですか、と言った。 「でもさ、思ったんだよね。合わない靴を履くと靴擦れが起…

はじめにあった言を取り返せ

映画『ウーマン・トーキング』を観た。 話の大筋は、キリスト教の厳格な村でレイプ事件が日常的に発生するようになり、村の男たちがいない間に女たちが会議を行い、村に残り戦うか他の場所へ逃げるか議論するというもの。女たちが議論を進める様子は、ウルフ…

過去は降る

まだまだ長く生きたなどと言えるような年ではないが、最近、過去の思い出に支えられているなあ…とじんわり涙することが多い。私も大人になったということだろうか。 たとえば先日。浅草付近をサイクリングで走っていると、道を間違えて浅草寺前の人混みに巻…

一瞬を生きつづける魔法使い

土の匂いが鼻をつき、柔らかい夜風が剥き出しになった首を包む。桜は少しずつその身を開き、花屋ではチューリップがこの世の主役とばかりに堂々と肩を並べる。私は眠りが浅くなって9時間とか寝ても眠たくて、夜になると毎晩不安が心に差し込んでくる。春だな…

近くて遠い、資本主義

Ⅰ. 映画『秘密の森の、その向こう』を観た。陳腐な言葉になるけれどものすごく良かった。 淡々としながらもそこにひとの優しさが滲んでいて、雫が落ちて揺れる水面のように、その優しさはゆるやかに広がって私の胸に大きな波紋を残した。すごく静かで感情を…